ぴちゃぴちゃと濡れた音が鼓膜を揺らす。睫毛を震わせて、ナッシュはいつの間にか閉じていた瞼をゆっくりと開く。ぼんやりとして定まらない焦点の視界の中、しかし異様な光景が周囲に広がっていることだけはナッシュにもはっきりと分かった。
一面が赤黒い、まるで血塗れの内臓の中のような空間はバリアン世界でも、もちろん人間界でも見たことがない場所だった。ここが一体どこなのか、確認しようと首を動かしかけたとき、ふわふわと宙を浮いているような、不安定な体勢をとらされていることに気づく。それどころかあちらこちらが窮屈で、締めあげられているような痛みが伝わってくる。視線を左右に送れば、極太の、黒光りする触手がナッシュの両腕を、また、両足を縛り上げていた。この呪縛にナッシュは覚えがあった。
ドン・サウザンド。バリアン世界に存在する邪神の力。それによりナッシュは四肢の自由を奪われていた。それも、同じような触手でできたベッドに仰向けにされている状態で。それも腕はぐいと背中側に引っ張られ、脚も同じ方向に引っ張られながら、腰と股間は浮き上がるような、おかしな体勢をとらされて。
逃れられないかと身を捩ってみるが、当たり前のように触手は締め付けを緩めることはなく、ナッシュの四肢をがっちりと掴んで離さない。うまく視認することはできないが、どうやら触手は首にも絞めるように回り込んでいるようで、抵抗した罰のように喉を圧迫されると「ぐ」とつぶれた声が漏れた。
どうしてこんな目に自分はあわされているのか。理解できないままナッシュはようやくはっきりしてきた視界で正面を見る。すると誰かが目の前に座っていた。ナッシュが目覚めたことに気づいたのだろう、それとも目覚めるのを待ちわびていたのだろうか、くつくつと厭らしく笑う声には聞き覚えがあった。オレンジ色の髪。紫色の瞳。触手が絡み合って作られた禍々しい玉座に腰を下ろして笑っていたのはベクターだった。
「ようやくお目覚めかぁ、ずいぶん寝坊助さんだなぁ、ナッシュ?」
「ベクター……っ!」
鮮烈に脳裏に蘇る憎しみの感情に、ナッシュはこれまでの経緯を思い出す。自分はベクターとデュエルをしたのだ。目の前で妹と親友の命を奪われた憎しみをぶつけるために。しかしドン・サウザンドの力を得たベクターの恐るべき力の前に膝を折り、失意のまま気を失った。……そこからの記憶はない。気がついたのが今さっきなのだ。
「退屈すぎて暇つぶししてたとこだ」
すっとベクターが目を細めながら視線を下にやる。追いかけた先にはこの薄暗い空間には眩しいほどの白い肌を持つ肢体がふたつ、艶めかしく揺れていた。
「んっ、ちゅう……んくぅ、んっ」
「あっ、はぁ……ちゅむ、んんぅ」
あられもない声を上げさせながら、ベクターは己の股間に屹立したペニスを二人がかりでフェラチオさせていたのだ。当然、ナッシュの目の前で。ずっと人間界で暮らしてきたナッシュには、14歳の人間としての知識でもその行為の意味が分かる。目の前でそんな余裕を見せつけられる屈辱に、怒鳴り声を上げかけたとき、不安定な体勢の中、ナッシュは愕然として目を見開いた。
ベクターに跪きながら笑みさえ浮かべて彼のペニスに吹いついている二人。その顔が、自分の知っている者にとてもよく似ていたからだ。
「くく、気づいたみてえだなぁ」
ベクターは両手で彼女らの髪を乱暴に掴むとペニスから顔を離させる。片方は外に跳ねる癖のついた青の長髪。もう片方は銀髪のショートカットだ。
「あんっ」
「あはっ、ベクター様ぁ、もうおしまいですか?」
至極残念そうに媚びる声にも聞き覚えがあった。ナッシュは耳を塞ぎたかった。だがそのための手は触手に埋もれ絡め取られて動かすことが出来ない。
「ああ、お待ちかねのメインディッシュが目を覚ましたみてぇだぜ、ほら。お前たちのたーいせつなナッシュがな」
二人を抱き寄せながら、ベクターはナッシュに見せつけるように立ち上がった。ベクターの両脇にしなだれかかりながら従順に腰を上げる彼女たちの白い肌。その全身がナッシュの目に飛び込んだ。
「あ、え……?」
改めて見せつけられれば、ナッシュの口から漏れてしまうのは間抜けな声。
「ベクター、なんだ、それ、は、どういう、ことだ」
「おいおい、『それ』扱いなんてかわいそうじゃねえのー? お前の大切な妹と、大切な親友の顔。忘れたとは言わせないぜ」
言いながらベクターは「ふたり」の胸をぎゅうと揉み上げる。豊かな白い胸はたぷりと揺れ、その刺激に打たれたようにビクンと身体を跳ねさせる。ベクターの乱雑な扱いにも甘い声を漏らしうっとりと恍惚を滲ませる赤色の瞳と、銀色の瞳。それは間違いなく、ナッシュの妹であるメラグと、親友であるドルベのものだった。
だがそれは、ナッシュが知るふたりのものとは大きくかけ離れていた。
「ナッシュ……! 目が覚めたのね」
ベクターの左に抱えられたメラグがナッシュを見て嬉しそうに唇で弧を描く。紅を引いたように妖艶に色づいた唇は唾液か、それともベクターのペニスから滴った先走りかで濡れて光っている。隠されることなく大胆に晒された肌。下着や水着のビキニよりも露出度が高い、濃い紫を基調としたコルセットと、そこにスカートにしては短すぎる、ひらひらとしたレースがついているだけの服ともいえない何か。胸も股も隠されることなく露出している。真っ赤に熟れた乳首が先端でツンと立ち上がった胸はナッシュが知っている彼女のものよりも大きく膨れ上がって、まるで大人の女性のようだった。細い首には黒い皮で作られたベルトのようなチョーカー、否、これは犬にするような首輪だろうか、それが巻かれている。鎖がついていて、胸の前でドン・サウザンドの紋章がペンダントヘッドのように鈍く光る。
何よりもナッシュを困惑させたのは、彼女の股間で存在を主張しているペニスだった。メラグは女だ。そんなものがついているはずがない。なのに間違いなく彼女の股間からは成人男性並かそれ以上の大きさはあるだろう立派なペニスが生え、勃起してものほしそうに先走りを垂らしている。持ち上がったスカートの布が捲れ上がってペニスの下にある女の性器も丸見えだ。そこから溢れた愛液が、むちむちとした太股を伝い落ちている。
「そんなに驚いたような顔をして、どうしたんだ?」
右に抱えられたドルベが不思議そうに首を傾げる。彼は男だった。そのはずなのに、メラグと同じような体つきに変わっている。メラグのよりも大きく豊満な乳房をつけて、きゅっと細い腰がコルセットで絞られている。メラグのよりも薄い色の紫のスカートは、同じく勃起したペニスが持ち上げて、陰嚢の下にある女性器が濡れて蜜が溢れている。メラグも同じだろうが、彼の臍の下にはドン・サウザンドの紋章が禍々しく入れ墨のように刻まれている。その上背中からはコウモリのような悪魔めいた羽が飛び出て生えている。ベクターのバリアンとしての姿を思い起こさせるが、それともまた異なる、ヒトならざるものの証だった。
女なのか男なのか、人間なのかバリアンなのか。それすらもわからない存在。
それがナッシュの大切なふたりの顔かたちをして目の前にいたのだ。
「こいつはよく分かってねーんだよ、説明してやる」
至極楽しそうにベクターは二人を抱いたまま笑った。
曰く、ナッシュが寝ている間にベクターと一体化したドン・サウザンドが見事その力の復活を果たし、バリアン世界をさらに拡大するために、カオスの力の収集に乗り出したのだという。
「七皇の役割も変わった。人間界に降りカオスを集めドン・サウザンドに捧げる……そのために一番都合のいい身体を、ドン・サウザンドが授けてくれた、ってわけよ」
メラグとドルベの肉体を見せつけるようにしてベクターは笑う。
「ヒトの欲望で最も混沌の力が強いもの。それが性欲。それを集めるのがてめぇら七皇の仕事になったってわけだ。ドン・サウザンドと、そしてこの俺ベクター様に忠実な僕! 淫魔! それが今のこいつらだ。男相手でも女相手でもたーっぷり精気吸って吸いまくって搾り取れるような格好になったわけだ。俺たちは元々エネルギー態、肉体は持たねぇ。だからこんな変化もちょちょいのちょいで完了したぜ? ま、こいつらはちょーっと頭のほうも弄らせてもらったけどな」
「頭、だと」
「さあてメラグちゃんとドルベちゃんに今の身体の感想をインタビューしてみましょうか? どうですかー? まずはメラグちゃん。今の身体は」
以前ならばベクターに氷のような冷めた視線を送っていただろうメラグは、ベクターからの問いかけに嬉しそうに頷いた。
「はい、ベクター様とドン・サウザンド様に頂いた新しい身体、とっても気持ちいいですぅ……全身がむちむちしてぇ、エッチな気分でいっぱいで、いつでもセックスしてるみたいな気分になれて、最高ですぅ」
「じゃあドルベちゃんは? その身体でどうしたいんだっけ?」
「はい、ベクター様とドン・サウザンド様のために奉仕するのが我々の何よりの使命。……ですが、この快感を、大切な友であるナッシュにも知ってほしくて、メラグと一緒に彼を調教したいとベクター様にお願いしましたぁ」
ベクターに媚びるような敬語を使い、甘ったるい声を出す二人にナッシュは触手に絡め取られた拳を震わせる。
「……とまあそういうこと。ホントはなーナッシュ? 俺はお前が大嫌いだからな、お前だけはきちんと殺しておくつもりだったんだ。そしたらこいつらがどーしてもどーしてもっておねだりしてくるから、寛大な俺様はお前にも七皇の仕事をしてもらうことにしたワケ。メラグとドルベに感謝しな」
ベクターに背中を押されると、メラグとドルベが触手に埋め尽くされた床の上を躊躇いもなく歩いてナッシュに近寄ってくる。
「ふふ、ナッシュ、どう? この身体……エッチでしょ?」
触手に囚えられたままのナッシュを見下ろしながら、メラグがナッシュのシャツの上から胸元に手を這わせてくる。それは間違いなく性的な愛撫を目的とした手つきで、ナッシュはぞくりと背筋が震えるのを感じた。
「待たせてしまってすまなかった。今からたっぷり……私たちが君のことを気持ちよくしてあげるから」
「メラグ、ドルベっ……そんな……どうして、こんなことに……」
ドルベの指も同じように這う。たぷたぷと揺れる胸が目に入って、ナッシュは見ていられず瞼をきゅっと閉じた。
「じゃあ、俺は行くぜ。メラグとドルベにたーっぷり可愛がって奴隷にしてもらいな。ああ……ゾクゾクするぜ。いつも俺を見下してきたお前が、俺の奴隷のそのまた奴隷にされるなんてなぁ……」
高笑いを残しながらベクターは闇へと消えていく。湿った空気の重く漂う空間に残されたのは触手で拘束されたナッシュと、身体を造り変えられ思考までも変えられたメラグとドルベ。何度も死に別れた、前世からの親友との感動の再会だなんてとてもではないが言えない状況だ。
「メラグ、ドルベ、正気に戻ってくれ、くそっ」
身体つきを確かめるように這い回る二人の手から逃れようと、身を捩りながらナッシュは悲痛に叫ぶ。だが返ってくるのはクスクスと笑う声だった。
「正気って、君は何を言っているのだ」
「そうよナッシュ。私たちは正気よ? なんにもおかしくなんかないわ」
メラグの手のひらがズボンの布の上からナッシュの性器を包み込む。ベクターへのフェラチオを見せつけられていたときからひっそりと熱を持っていたそこに触れられてナッシュは羞恥と悔しさに顔を赤くした。
「ふふ、なんだ、もう勃起し始めてるじゃない」
「こんなこと、俺たちはしてる場合じゃ……」
「さっきベクター様も仰っただろう」
彼を殺したはずのベクターに様をつけて呼びながら、ドルベの柔らかい唇が額や鼻先に落ちてくる。薔薇の花のような香りが白く柔らかな肌から漂ってきてむせ返りそうになる。
「バリアン世界はドン・サウザンド様の力によって救われた今、我々が成すべきはカオスの力を集めバリアン世界をより繁栄させること。ナッシュ、君もいつも言っていただろう、バリアン世界のためにその身を捧げるべきだと。私もメラグも今まさにそうしている。君にもはやくこの使命に目覚め協力してもらいたいんだ。君の力は強大だ。きっとドン・サウザンド様のためになる」
「そう、ドン・サウザンド様に一緒にすべてを捧げましょう? ナッシュ。そのためには、まず……この身体を造り変えないと」
肉感的な肢体を存分に見せつけながらメラグは身を乗り出すと、ナッシュのズボンのベルトを外した。長い爪で布を破きながら、メラグの手淫ですっかりガチガチに硬くなったペニスをブルンと空気に晒させる。妹の手によって勃起してしまった己のペニスを見せつけられて、ナッシュは短い悲鳴を漏らしながら己の肉体を恥じるしかなかった。
「ナッシュのおちんちん、小さくてかわいい」
ピンと指先で弾くように弄ばれて、ナッシュは喉を反らす。その間にドルベが上半身のジャケットやシャツを脱がしていく。触手で拘束された腕に引っかかるところまでジャケットは降ろされ、シャツは首元までたくし上げられると胸元の肌が晒される。大ぶりのバリアラピスのペンダントが直に触れて冷たい。
「毛、まだ生えてないんだ。つるつるー」
ペニスの付け根を撫でまわされる。
「やめろっ、っむ!」
言い掛けた制止の言葉はしかしドルベの唇の中に吸い込まれる。顔を持ち上げられて唇を唇で塞がれたのだ。ドルベの舌がするりと入り込むと、とろりとした唾液が口の中に注がれていく。花の蜜のように甘いそれに、頭がぼんやりとしていく。理性を奪われていくのが実感できても、覚えた恐怖さえ溶かされていくようだった。
「んーっ、んぅ……」
がくがくと腰が震え、身体中の力が抜けていく。まるで精気を吸い取られるように。ナッシュの咥内を存分に味わい尽くしてドルベの舌が抜けていく。糸を引いたどちらのものとはつかない唾液。ナッシュの唇から「あ……」と切なげな吐息が零れるとドルベは唾液で濡れて艶やかに光る彼の唇を悪戯っぽく舌で舐めてみせた。
「もっとしてほしくなったか?」
「んぁ……」
「その様子じゃ相当注いだのね、ドルベ」
「ナッシュがあまりにもかわいくてね、つい我慢がきかなくなってしまった」
唇からさらさらと垂れた唾液を皮膚に塗り込むようにドルベの指先で撫でられて、ナッシュは抵抗することも忘れてキスの余韻に浸っている
「私たちの身体、体液が全部強烈な媚薬になってるの。ターゲットの人間の精を根こそぎ搾り取るためにね」
言いながらメラグはすでにはちきれそうに膨れ上がったナッシュのペニスを口に含んだ。
「ひっ!」
いきなり激しく吸い上げられ、そのあまりに凄まじい快感にナッシュはびくんと腰を跳ねさせる。本当にヒトの口の粘膜なのかと思えるほど、メラグの喉は絡みつくようにナッシュのペニスをとらえ、裏筋を的確に舌がなぞり上げていく。張りつめた袋はころころと手のひらの上で転がされる。
「あっ、なんだこれっ、すごいっ?! メラグっ、お前の口の中、どうなって」
「口の中も改造されているんだ」
にこにこと微笑みながら、なんとも無いことのようにドルベはとんでもないことを口にする。
「男のチンポ咥えるのに最適になるように……そこらの女の中よりもずっと私たちの口の中のほうが気持ちいいよ。ナッシュは女とセックスしたことがあるかい? あるならわかるだろう? 全然違うってことが」
確かに先ほどキスをされたときも何か違和感を覚えたが、原因は口内の改造によるものだったのかとナッシュは恐ろしく、同時に悔しく思う。だがそれもメラグのフェラチオが齎す快感が押し流していく。
「んはぁ……ちっちゃくってぇ……ちょっと物足りないけど、ナッシュのおちんちんだもん、かわいくって仕方ないよ……」
喉から一度出して、メラグはペニスにちゅっちゅと音を立ててキスをする。ナッシュのそれは同年代の少年と比べて決して小さくはないはずなのだが、メラグの股間から伸びて未だ勃起を収めないそれと比べると本当に子供のような性器だ。
「一度イかせてやったらいいんじゃないのか」
「そうさせてもらうわ。ナッシュ、思い切り出してちょうだいね、あなたの精液、私の口の中に」
そうしてもう一度メラグの口がナッシュの性器を包み込む。
「やっ、いやだっ、やめろメラグ、やめろぉ……っ!」
「やはり君は素直じゃないな、だが身体は正直だ。腰がカクカクしてる」
ドルベがナッシュの身体の有様を残酷に告げていく。
「んっ、んっ、あっ、ああっ!」
びくんっ、と身体中を震わせて、ナッシュの呼吸が瞬間的に止まる。同時にペニスを咥えていたメラグの表情が歓喜に満ちる。彼女の口の中に精液が吐き出されたのだろう、ごくりと喉が動いて飲み干されていく。射精を果たしたペニスをメラグは慰めるように舌で愛撫し、たっぷりと唾液を絡ませたうえで吐き出した。ぶるん、と震えた性器は射精した直後だというのに、再び勃起をはじめている。
「あ、ああ……」
「ナッシュのせーえき、おいしい……でもだめよ、ナッシュ。イクときはちゃんとイクって言わなきゃ」
「い、う……?」
「そうだよナッシュ、今自分が何を感じているのか、私たちにしっかり教えて欲しい。そうしないと、君に十分な快感を与えて上げられないだろう?」
背中に回り込んだドルベが、後ろからナッシュを抱きしめながら耳元で囁く。
「ほら、これはどうだい?」
「あっ、乳首っ?! やあ……っ」
ドルベの指が伸びたのは晒された両胸の乳首だった。平坦な男の胸だというのにドルベの手はまるで女にするようにナッシュの薄い肉を揉みしだいている。これでは本当に、女のような胸が出来てしまいそうな気分になってくる。
「いやらしい乳首を持っているね。もうこんなに真っ赤になっている」
それが先ほど注ぎ込んだ媚薬の影響だということは知らないフリで、ドルベはナッシュをいじめる。
「乳首いじられて、どんな感じだい? 私に教えておくれ」
ナッシュの長い横髪をかき分けて、ドルベの息が耳の中へ注がれる。以前から心地よいと感じていた声に促されれば、ナッシュは答えずにはいられない。
「じんじんして……痛い……っ」
「痛いだけじゃないだろう?」
摘んだり引っ張ったりしていた乳首を、今度はぐいと思い切り内側に押し込めてやればナッシュの身体はびくんと跳ねた。背中を受け止めるのは触手でできたベッドでなく、ドルベのやわらかな胸。柔らかくも弾力のあるそれにナッシュは背中も愛撫されているような心地だった。
「ああっ、痛いけど、気持ちいいっ」
「どうされると?」
「コリコリって、ドルベの指でされるとっ」
「どこが?」
「乳首もっ、あっそれに、あっ、じんじんして、ずきずきする……」
「じんじんして、ずきずきするのはここ?」
射精したばかりのペニスの根本を擦りながら問いただすのはメラグだ。
「あっ、それっ、それ」
「ちゃんと言わなきゃ。おチンポ気持ちいいって。さあ」
ドルベが導くように囁くと、その声が耳の穴から入って脳髄をも麻痺させていくようだった。胸と性器への愛撫に悶えながら、ナッシュは無我夢中で叫んだ。
「乳首、いじられると、おチンポ、気持ちいいっ、じんじんが、おチンポまで伝わってくっ」
「ナッシュは乳首が性感帯なんだね」
「まだちょっと触っただけなのに、もうおチンポまで感じちゃうなんて。開発したらどうなっちゃうのかしら? ピアスつけてあげたらきっとえっちでかわいいわ」
「身体を変えるのが先、だろう?」
「そうね。ふふ、ドルベとね、考えたの。ナッシュにはどんな身体が似合うかなって……こんなに乳首が敏感なら、やっぱり打ち合わせた通り、小さいおっぱいからはじめて私たちでもみもみして育ててあげたいわ。おちんちんも小さくてかわいいんだもん。胸も小さい方が似合ってる」
「ナッシュにはそれが似合うだろうね。揉んでいくうちに大きくなるのを見ていくのは楽しそうだ」
「お前たち、何言って……」
ぷすり、と何かに刺される痛みを両胸に感じてナッシュは己の身体を見る。両胸の、乳首と鎖骨の間ほどの位置に鈍く光る針が一本ずつ。皮膚を貫いて食い込んでいる。その先を辿れば黒くぬめるドン・サウザンドの触手があった。針の伸びたその触手を持ちあげてナッシュに突き刺したのはドルベだった。
どくん、どくん、と何かの液体が刺された針から身体の中へと注ぎ込まれていくのを感じる。
「はぁっ?! あっ、あううぅ! あつい、あつい、いやっ、何だよ、コレぇ……っ!」
「ナッシュの身体をエッチに作り替えるためのお薬だよ」
「ああ、やだっ、そんな、抜けっ、抜いてよぉ……やだぁ……」
恐怖に目を見開いて、身体を震わせながらナッシュは身を捩る。だが後ろからドルベに抱き込まれている上、首や手足を縛る触手は健在でろくな抵抗もできない。胸にかけられたままのバリアラピスに力を籠めても封じられているのかバリアンとしての能力も使えない。
「怖くないわ、大丈夫……ふふっ、ほら、見てナッシュ、ナッシュのおチンポも喜んでる。口ではそう言って、本当は気持ちいいんでしょう? ホント、素直じゃないんだから」
「そんなところも可愛いけれどね」
ドルベがキスを落とす間、メラグがぐいとナッシュの身体を折り曲げて、硬く勃起した性器を見せつける。胸から注ぎ込まれる液体がどくんどくんと鼓動するのにあわせてペニスはビキビキと血管を浮かして張りつめていく。真っ赤に熟れた先端がもはや痛々しいほどだ。
「ああっ、そんなっ、違う……違うのに、なんでっ」
「射精したそうなおチンポ……でも、射精以外にもイく快感があるの、知ってる?」
言ってメラグは短いスカートを捲り上げ、彼女の巨大なペニスをひっぱるように持ち上げた。「あんっ」と甘い声を上げながら、その下にあるものを見せつける。ペニスと陰嚢の下、濃いピンク色の肉の花びらをまくれば蜜を垂らし続けるそこは女性器だ。とろりとした愛液がとめどなく溢れている。
「じゅんじゅんするの……ここ、エッチなナッシュ見てると疼いてたまらない……一番気持ちいい場所なの……ナッシュにも知って欲しいの、この快感……」
メラグはナッシュの性器を再びなぞる。パンパンになった玉の下を愛おしむように撫でる。
「ここ……ナッシュはまだ開いてないのね……」
当たり前だろう、と言おうとした声は胸にダイレクトに注がれる快感が押し流す。ナッシュの口から漏れるのは最早荒い吐息と短い悲鳴だけだ。
「なんにもなくて、汚れてなくて、きれいなナッシュの未開通おまんこ……私が開けてあげる……作ってあげる」
メラグが指を上下させさするスピードが上がる。こすこすと繰り返し擦られれば、敏感な性器の側ということもあっておかしな熱がその指の先にたまっていく。
「あぐぅっ?!」
ふいに爪を立てられたような痛みが奔る。胸に針が刺されている箇所と同じような痛み混じりの快感が、陰嚢の下部から注がれていく。メラグが指を離すと、触手と同じように黒光りする、ドン・サウザンドの紋章がその場所にはりつけられていた。表からは見えないが、その裏側で、無数の針のような触手のような細いものがナッシュの皮膚を突き破り根を張り巡らし、内側で暴れているのが分かる。
「あとは……おなかの中もいじらないとね」
メラグが傍らから触手の一本を取り上げる。その先端をフェラチオするように舐め上げると、くぱと花が開くように割れた。そこから糸のような触手が、粘液を滴らせながら無数に蠢きだす。それらがメラグの導きによってナッシュの腹に近づけられると、身近な穴……臍をめがけて一斉に群がった。
「ひぐうぅぅぅっ!?」
臍から腹部に侵入してくる触手が、内臓の中をいじくりまわっていく。臍の緒のようにぴっとりと繋がった触手はもうメラグが手を離してもナッシュの身体に吹いついて離れない。
「少し刺激が強すぎたかしら」
「ナッシュ、落ち着いて、ゆっくり呼吸して。そう……いい子」
ドルベにやわらかく胸を揉まれながらナッシュは呼吸を取り戻していく。どくん、どくんと身体中のあちこちで激しい熱が生まれている。得体の知れないそれは身体が造り変えられている最中だということをナッシュに改めて思い知らせた。
「あー……、あぁ……」
「よだれたらしちゃって……ああ、ナッシュ、本当にあなたってえっちでかわいい。ねぇドルベ、私もう我慢できない。パンパンだよぉ」
とろけた声を出して息を荒くしながら、メラグはそそり勃った彼女のペニスを扱き出す。
「あっ、わたしのくりちんぽっ、もう我慢できないのぉっ」
「仕方ないな、メラグは。私だってナッシュの中にいれたくてたまらないのに」
背中に当たるのはドルベの胸だけではない。彼のペニスも熱を持ち、ナッシュの背でどくどくと脈打っている。だがドルベはメラグを助けるように、ナッシュの両足を抱えて持ち上げた。晒されるのは勃起したペニスと、その下で蠢くドン・サウザンドの紋章。……そしてその更に下の箇所。
「ああ、ナッシュ……前からずうっと思ってたの」
メラグのペニスがナッシュの股間をさする。灼熱を持ったそれは密着すると凶器的な大きさがよく分かる。妹に自分よりも遙かに大きなペニスがくっついていることにナッシュは声も出せなかった。
「ナッシュのおしり……いつも近くで見てた……小さくてかわいくって……犯してやりたいって……ようやく叶うのね。ドン・サウザンド様が改造してくれた私のクリトリス。こおんなにおっきくなって、立派なクリチンポになっちゃった! 性感もビンビンっ、これならナッシュのおしりの中にたっぷり私の改造精液ぶちまけられる!」
ぴっとりとメラグのペニスの先端があてがわれたのは、きゅうきゅうと収縮を繰り返していたナッシュのアナルだ。
「や、あ、無理っ、そんなの無理だっ、はいんねぇよぉ!」
「大丈夫、入るわよ」
ずん、とメラグが勢いよく腰を押しつけペニスがナッシュのアナルを押し広げながら挿入される。息が詰まり頭の中がスパークする。
「んんんっ!」
強烈な痛みが襲うかと思われたが、それほどでもなく、ナッシュのアナルはメラグのペニスを驚くほどすんなり飲み込んだ。滴った血がこぼれ落ちているけれど不思議と痛みはない。大量に注入された媚薬液によって麻痺させられているのだろうことが、幸せなのかそうでないのかナッシュには分からなかった。
「ひゃあ……思った通り、ううん、思った以上! ナッシュのおしりのなか、たまんないよぉ……すごい締め付け、絡みついてくる! まだ淫魔になってないはずなのに! 生まれつきの淫魔なのね、ナッシュはぁ。わたしのクリチンポ、中でどんどんおっきくなっちゃうっ」
興奮を隠さず、濁った目を輝かせるようにメラグがなまめかしく激しく腰を振る。そのたびにみちみちと内側が悲鳴を上げるが、同時にきゅうきゅうと離さぬように締め上げていく。
「ほらナッシュ、メラグがあんなに喜んでいるよ。そんなに君のアナルは素晴らしいんだね」
私も入れたい、と熱っぽく囁きながら、ドルベは乳首をこねまわす。胸と股間のあらゆる場所から注がれる熱の奔流にナッシュは歯がかみ合わない。
「っふあぁぁ……ら、めぇ……おかしくなるぅ……」
「そうじゃないだろう? さあ、どうだい、メラグのクリチンポは。君の中でどうなっている? 君の中はどうなっている?」
「……っ、メラグの、クリチンポぉ……俺の中でどんどんおっきくなってる、血管ビキビキしてぇ、あっ、ごつごつって、あたってぇ……、気持ちいい、さきっぽ、でっぱってるとこ、えぐられるの、いいっ、はぁっ、気持ちいい、いいよぉ、俺、妹に犯されて、感じてるっ、気持ちいいって感じてるぅ、妹のクリチンポ、おしりで咥えて感じちゃってるぅ! 俺のおしりのなか……きゅうきゅう動いてるっ! あっ、熱いのくるぅ、メラグ、もっと、奥のほう、ゴリゴリしてぇ!」
「うんっ、ナッシュの中、ごりごりしちゃうっ」
メラグが角度や深さを変え、ペニスの出し入れを繰り返す。ドルベの手がすっとナッシュのペニスに伸び、身を乗り出すと口に咥える。メラグと同じ、淫魔の特別な咥内はねっとりと絡みつくようにナッシュのペニスを高みへと導く。
「ひゃ、だ、めぇ……ドルベの舌っ、さきっぽのうらふぁわぁ……くびれてるとこ、そこ、だめなんだぁ……れろれろしないでぇ」
「素直じゃないナッシュ……ほんとはして欲しいんでしょ? もっとほしいんでしょ?」
ぎゅっぎゅとアナルの感じる場所をメラグに押し上げられてナッシュは甲高い悲鳴をあげる。
「ひぃぃぃん、ほしぃ……ほしぃっ」
「ドルベの喉まんこの中に出させて欲しかったら、おねだりしないさい。そうしたら、ご褒美に、わたしもナッシュの中に熱い精液たっぷり出してあげる……欲しいでしょ? とおっても気持ちよくなる改造精液! ああん、私も、早く出したいのぉ、あなたの中にたっぷり、精液出しちゃいたいぃっ」
ペニスとアナルを同時に追いつめられ、もはやナッシュに羞恥など残っていなかった。
「あっ、ふぁ、おねがい、ドルベぇ……俺のおチンポもっと吸って、せーえき吸い出してぇ……メラグもっ、俺のおしりのもっと奥まで、ついて、俺の中ぁ……たっぷり出して、せーえきでいっぱいにしてぇ……」
「ナッシュのおねだりなら、きいてあげないわけにはいかないわ……ほらっ」
「ひゃぁああああんっ!」
ずんとメラグが奥を突くと、内側でペニスが脈打つのが分かった。同時にドルベが導くようにペニスを吸い上げる。内側から押し上げられた精液が、こみ上げてドルベの喉に吸われていくようだ。
「あっ、イく、いっちゃうぅ、メラグとドルベに犯されてっ、俺いっちゃうぅっ」
「あはっ、私も出る、出ちゃうわっ、ナッシュの中に出しちゃう、淫魔の改造精液! クリチンポから精液くるぅ! ナッシュのアナルをかわいいけつまんこに改造しちゃうのぉ!」
開いた口から涎を垂らしながら、感極まったようにメラグは射精する。勢いよく溢れた精液が腸壁にどろどろに絡みついて細胞を変異させていく。あまりに大量に放出された精液は結合した部分から溢れメラグの竿を伝い、びしょ濡れになった膣の入り口へも届いて愛液と交じり合う。
「んん―――――っ!!」
少し遅れてナッシュも射精を果たす。ドルベが精液を受け止めて飲み込んでいく。もっと出せと言わんばかりにガチガチの玉をぎゅうと押されれば、奥に残った精液をもすべて吸い尽くされてしまいそうだった。
ずる、と引きずりながら内側からメラグのペニスが抜かれ、同時にドルベの口からもナッシュ自身のペニスが抜かれる。やはりというべきかナッシュのペニスは萎えず天を仰いだままであるし、肥大化したクリトリスの埋め込まれていたアナルは閉じることを忘れてどろりとした精液をこぷぷと溢れさせている。
「ぐしょぐしょだねえ、ナッシュ……」
「ナッシュ、私もイきたいな。君たちの痴態を見ていたら私も我慢できなくなってきてしまった」
精液をたっぷり飲んだ口でナッシュの顔に遠慮なくキスをしながらドルベが囁く。
「あら、ドルベのおチンポもガッチガチじゃない。どうするの? ナッシュのかわいいおしりは今私の精液が改造中だけど」
抜かれてもなお熱を帯び続ける腸内にナッシュは呻いていた。精液が、その中の精子がぴちぴちと暴れ回っているのが手に取るように分かる。強烈な媚薬の成分を含んだ淫魔の精液はナッシュの腸を性感帯へと変質させていっているその最中なのだ。
「ナッシュの中に入れるのはお楽しみにとっておくよ。それより、おチンポだけじゃない。こっちも張って仕方ないんだ」
そうしてドルベが持ち上げたのは彼自身の豊満な乳房だった。本来のドルベにはついていなかった、男とは思えないほどの、女でもなかなか見られないほど大きく、同時にハリも良く美しい乳房。その異質さはメラグのペニスに感じるものと同じだと、ナッシュは消えかけの理性で感じ取る。
「ドルベのおっぱいすごいでしょ、うらやましいくらい。おっきくて形がいいだけじゃないのよ、やわらかくて……」
背中越しにイヤというほど味わわされたドルベの胸の感触が、ナッシュの顔面を直撃する。胸を顔に押しつけられているのだ。ふんわりと漂う花の香りにただでさえどろどろの思考が形を無くしていく。
「張ってしまってパンパンなんだ……ナッシュ……吸って……君に吸って欲しい……」
口元にあてがわれた、熟したイチゴのようにおいしそうな乳首を、ナッシュは無意識のうちに咥え、ドルベが願ったように吸い上げる。じゅる、じゅると音を立てて吸うと、乳首からぴゅ、ぴゅと母乳が溢れ出てくる。甘い香りの漂う乳がたまらなく美味に感じ、ナッシュは夢中で吸い上げを強めた。
「ああっ、ナッシュぅ、すごい吸い上げっ……! 私の淫乱おっぱい、感じてるっ、おっぱい吸われてイくっ」
とろけた笑顔を向けながらドルベは内股を物欲しそうにすりあわせる。じゅんじゅんと愛液が溢れて太腿を濡らしている。更に乳房の下のほうで勃起したペニスがむくむくと膨れ上がっていく。その光景を目の当たりにしながらも、ナッシュはドルベの胸に顔を埋め、母乳を吸い続けた。止められなかった。
「んくっ、んくっ、ドルベのおっぱいおいしい……甘くてぇ……おいしいの、もっと、ちょうだい……」
今度は逆の乳首を咥えてナッシュは吸い上げを続ける。
「あっ、あはっ、ナッシュ、ふふ、気に入ってくれて嬉しいよ、私のおっぱい……こんなにおいしそうに飲んで、赤ちゃんみたいっ」
夢中で乳房をほおばり、臍から緒のように触手をのばす様は本当に胎児または乳児のようだ。ただ股間には男の象徴がそそり立ち、本能的に挿入したいのだろうかカクカクと腰が前後している。しかしそれは叶わない。何故ならナッシュは、女としての快楽をその身に刻みこまれる改造を今まさに施されている最中だからだ。
「ドルベの胸は特別製なの。たっぷりの媚薬母乳ため込んで、クリトリス並の感度の乳首でイけちゃう胸まんこ。ドン・サウザンド様特製の、男なら誰でも……ううん、女だって虜になっちゃう、バリアンの白き乳」
「ドン・サウザンド様は私たちに特別な箇所をひとつずつ作ってくださった。私はこの胸……メラグは灼熱のおまんこさえ瞬間絶頂させるチンポの剣。ナッシュは何を頂けるのかな」
うっとりと二人が語るのも耳に入っていないだろう、んく、んくとナッシュは喉を鳴らし懸命に母乳を吸い続ける。甘い蜜のような母乳に淫魔の毒が含まれているとも知らずに。
「ああ……ナッシュっ、ナッシュぅ……イくっ、母乳と一緒に精液出るっ」
「んあっ」
ぐいとナッシュの顔を乳房から引きはがし、ドルベは勢いよく射精する。同時に吹き出した母乳と一緒に、精液がナッシュの顔をぐっしょりと濡らす。
「んはぁ……ぁん……」
真っ白になった顔面にたちこめる精のにおいに、しかしナッシュは嫌がることなく恍惚としたため息をこぼすばかりだ。
「んっ……ナッシュ、トんじゃったみたい?」
「そうだね。あんなに母乳飲んで、君にも精液中出しされて、正気でいられる者なんていないだろう」
「じっくり改造していこうね。ふふ、どんなかわいい淫魔になるか、楽しみぃ……」
目を開けたまま意識を飛ばしているナッシュの身体に、しゅるしゅると黒い触手が巻き付いていく。メラグがこじ開けたアナルに入り込み、ドルベが揉んでいた胸に刺された針も絶え間なく改造液を注ぎ続ける。乳首を覆うように新しい触手が伸びてきて、吸盤で吸いつくと胸全体を引っ張り上げ、膨らませるようにシュウシュウと音を立てて空気を送り込んでいく。勃起したままのペニスに巻き付いた触手はとびきりのオナホールのようにそれを包み込み、快楽を与えながらも尿道に細い触手をのばしてそこからもナッシュの内側を弄くっていく。ナッシュの器を変質させる改造が第二段階へと移行をはじめたのだ。
「ああ。私たちもそろそろ、ドン・サウザンド様にこの身に貯めたカオスを捧げる時間だ……」
立ち上がった二人の傍らに、極太の黒い触手が伸びてくる。人間のものとは逸脱したグロテクスなペニスを象った先端には無数のイボがついて凶悪な触手である。
「ドン・サウザンド様ぁ」
勢いよく伸びた触手はドン・サウザンドの性器そのものだ。メラグとドルベの秘所めがけて飛び込んだ触手はめちめちと肉を押し広げながら彼女らの内側を犯し尽くしていく。
「ひゃぁっ、ドン・サウザンド様のおチンポっ、今日もありがとうございますぅ!」
「私たちの中のカオス、全部吸い尽くしてくださいっ!」
触手に蹂躙されながら、しかし笑顔を浮かべてメラグとドルベは頭を振って身悶える。秘所から蜜を溢れさせ、肥大化したペニスから精液をまき散らして喘ぐ二人の姿を、触手に呑まれながらようやく覚醒したナッシュはぼんやりと視界の中に確かに見ていた。
「メラグ……ドルベ……」
こんなにも変えられてしまった妹と親友。そして今同じようにされかけている自分。無力感に涙を流しながら、ナッシュは必ず彼女らを助けてやらなければならないと思った。
男性向けの特殊嗜好えろSS付きイラストのSS部分というのをテーマに書いたので普段と作風が違います。こんなに淫語言わせたの初めてだよ!!頑張りました。(※私は淫語が苦手です)次回はナッシュ淫魔堕ち編。
Text by hitotonoya.2014